spicks&specks

怠惰で平凡な日常

さらば敦賀。MACKLETSURUGAよ永遠に

2021.3.19 私は敦賀を立った。恐らくこれは永遠の別れである。そんな予感を感じさせる北陸の春。寒さの中に暖かさが、曇天の空に僅かな日光が、私の敦賀での2年を表したようなそんな景色だった。特急しらさぎ号に流れる矢継ぎ早の景色が何かを伝えてくれる気がしていた。しかし私は、それが何かを分からないままだった。そうして、今回は敦賀での何かを、このブログを書くことで探す旅になります。つまり、敦賀とは私にとってなんだったのかということです。

 

敦賀とは何か?その答えはきっと過去にしか無い。だからこそ今此処で敦賀を振り返りたい。

まずは…そう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えぇと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何"も"無"か"っ"た"。」ゾロのセリフが頭をよぎる。

 

楽しいこと、辛いこと記憶に残るような出来事は無かった。しかし、「それでいいのだ。これでいいのだ。」

そこには日常があったのだから。花見客のいない桜並木。夏に聞こえるカエルの大合唱。秋に香る金木犀。冬に雪を踏みつける感覚。そんな日常の些細な事柄こそが敦賀にはあった。その日常を人々は平穏と呼ぶのだろう。平穏が与えてくれる喜び。喜びに満ちた日常。平穏な日常。そう、つまり私の敦賀生活は幸福だったのだ。

 

 

 

私の人生において、そのような幸福は、特急しらさぎ号の景色のように一瞬で過ぎ去っていったのだろう。しかし、敦賀での2年間は確かに存在した。この2年間は定食に付いてくる漬け物のように、人生の口直し、箸休めとして私の人生という定食を彩るであろう。無くても困る人はいない。しかし、あって困る人もいない。人が気にもとめない存在かもしれない。

だからこそ、この日常を、この平穏を、この幸福を忘れずに都会の喧騒を歩いていこうと思う。私だけの記憶として。

 

 

MACKLETSURUGA〜[完]〜